ジャガイモを植える時、よく言われるのは「種イモを半分(もしくは1/3)に切って植えましょう」ということです。
たくさんのサイトに書いてあるのでジャガイモは切って植えるのが当たり前のようになっていますが実はそうではありません。
今回の記事では種イモを切って植えてはいけない理由を紹介していきます。
なぜ「種イモを切る」のが良いとされているのか
そもそもなぜ「種イモは切って植える」という情報が出回っているのか。
これは栽培に関する情報は農家さんがやっていることをお手本としているためです。
インターネットの普及によって、一般人でも専門的な情報が得られるようになりました。
農家さんは栽培のプロですので、農家さんの技術が情報として掲載されるサイトが多いです。
ところが家庭菜園と農業では目的が違いますし、目的が違うと手法も違ってきます。
農家さんの多くは生業として栽培をしているのでかかる費用や効率が重視されます。
ジャガイモ栽培の場合、種イモにかかる費用を抑えたり、芽かきの手間を省いたりするために種イモを切るという方法が行われています。
このような農業におけるメリットは家庭菜園においては必ずしも大きなメリットになりえないのです。
種イモを切ってはいけない理由
種イモが腐りやすくなる
種イモを切ると切断面から菌が入り、病気やカビ、腐敗の原因になります。
あくまで種イモの数を増やすためと考えれば、家庭菜園においては種イモを切るということは大きなメリットにはならない場合が多いです。
よほど大きな畑でない限り種イモを切って腐敗リスクを高めることは避けるべきでしょう。
特に秋植えの場合は地温が高く、腐敗の可能性が高くなるので種イモを切ることは推奨されていません。
腐敗防止に手間がかかる
種イモの切り口からの腐敗を防ぐために断面を乾燥させる方法もありますが、数日間乾燥させなければいけません。
種イモを切って、乾燥させてからようやく植えるというのは手間もかかりますし、時間もかかります。
「今日植えたいのになぁ」と思っても、すぐに植えられないですし、乾燥が中途半端な状態で植えてしまうと、やはり腐ってしまいます。
草木灰で切り口を保護する方法も出回っていますが、日本いも類研究会によると草木灰をまぶすのはむしろ逆効果のようです。
草木灰を切り口にまぶすということが昔は行われていましたが、かえって切り口の癒傷経過(キュアリング処理といいます)を遅くし、腐敗を増すことがわかっています。
https://www.jrt.gr.jp/q_a/potatoqa_hai/
草木灰をやってる人は多いのでは?
種イモを切ることが推奨されていない品種もある
インカのめざめなど、小さな品種は種イモを株を育てる栄養に使うためそもそも切るべきではない場合もあります。
「これは切る」「これは切らない」など判断するのも難しいので、種イモを切ることにメリットがないのであれば「種イモは切らない」と覚えておくのがいいでしょう。
(デメリット)間引きはしっかりしよう
種イモを切らずに植えた場合は切った時よりも多く芽が出ます。
ある程度大きくなったらしっかりと間引きを行いましょう。
このくらいのデメリットは許容範囲ですね
まとめ
いかがでしたか。
もはや「種イモは切って植える」は常識になりつつありますが、その理由や最新の研究をみると家庭菜園の常識ではないのかもしれませんね。
今まで種イモを切って植えていた方も次からは切らずに植えてみてはいかがでしょうか。
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