皆さんは野菜への水やりはどうしていますか?
「土が乾いたら」という条件で水をやる方も多いかと思います。
でも、その土本当に乾いていますか?
実は表面を見ただけでは土壌が乾いているかはわかりません。
農家の方のように「経験」や「勘」 があれば適切な判断ができるかもしれません。
しかし、経験が浅い方や家庭菜園を楽しむ一般の方には判断が難しいものです。
「水やり三年」と言われるくらい水やりの判断は難しいものなのです。
でも、ご安心ください。
今回の記事では「経験」や「勘」がなくても良い水やりができる方法を紹介します。
この記事の方法を実践すれば、感覚での水やりとはおさらばです。
ポイントをしっかりと抑えて、上手な水やりができるようになりましょう。
野菜の成長には水が必須
みなさまご存じの通り、植物は光合成によって養分を作り出し株を大きくします。
光合成は光エネルギーにより、根から水を吸い上げ、葉っぱから二酸化炭素を取り込むことで行われます。
ここで注目したいのは、水は根から吸い上げるということです。
つまり、根のあるところに水がある必要があるのです。
値の張り方は植物によって異なります。
イネ科などの単子葉類に見られる「ひげ根(ね)」、ナス科などの双子葉類に見られる「主根(しゅこん)・側根(そっこん)」などです。
ひげ根
主根・側根
根っこの種類や植物の種類・サイズによって違いがあるものの、共通していることと言えば「根っこは土の中に生える」ということです。
![しょちお](https://hannobiyori.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0542.jpg)
当たり前のようですが大事なことです
我々が気にすべきは土の表面の水分ではなく、根っこがある土の中の水分なのです。
土の中の水分量を数字で見ることが大事
熟練の農家さんであればどれくらいで土の中が乾燥するのか、自分の畑の保水力はどれくらいあるのかは 「経験」や「勘」でわかるかと思います。
しかし、この「経験」や「勘」は一朝一夕で手に入るものではありません。
では、我々は土の中の水分をどうやってみればいいのか。
それには土壌水分計をというものを使います。
これは土に挿すだけで土の中の水分量を計ることができる測定器です。
水分量が数字でわかりますので、土の中の乾燥具合が客観的に判断できます。
この数字で「経験」や「勘」の部分を補っていきましょう。
土が乾くスピードは場所によって違う
以前、土壌性質についての記事を書かせていただきましたが、土の保水力は土壌性質によって変わります。
さらに日の当たり方も異なれば、乾燥の仕方も異なります。
日が良くあたるところでは乾燥しがちになります。
つまりどのくらいで土の中が乾くかは土壌性質や環境によって大きく変わります。
土壌水分計を使うときはいくつかのポイントを決めて、定期的に計るようにしましょう。
水分が少ない方がいい野菜もある?
土壌水分計で畑の水分量を把握することができたら、あとは水分量を管理していきます。
植物は土壌の水分を吸って成長するのであれば常に土を湿潤にしていればよいかと言えばそれは違います。
多すぎる根腐れを起こしますし、実は土壌を乾燥させて育てた方がよい野菜もあるのです。
野菜は土の中に根を張り、その根から水分を吸い上げることはご存じかと思います。
土壌が乾燥している時、野菜は水分を探すために根をたくさん伸ばします。
そうすると株自体が強くなりますし、養分をたくさん作ることができるのでよく成長します。
トマトなんかは乾燥状態で育てることで実が糖を蓄えて甘くなるともいわれています。
![しょちお](https://hannobiyori.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_0542.jpg)
野菜ごとに適した水分量で育てることが大事です。
・トマト
・ネギ
・ニラ
・ゴーヤ
・スイカ
・サツマイモ
など・・・
・キュウリ
・エダマメ
・ナス
・トウガラシ
・ピーマン
・シソ
・ミツバ
・モロヘイヤ
・カブ
・サトイモ
など・・・
生育時期に合わせた水分管理
生育の時期によっても水分量は変えていく必要があります。
播種(種まき)をした時や植え付けをした時には水分がたっぷり必要になります。
また、野菜の実の多くは水分でできていますので、実をつけた時にはたくさんの水が必要になります。
このように野菜に水が必要なタイミングで土壌水分量を上げることで、野菜にとって成長しやすい土壌水分環境を作ってあげることができます。
数字を記録して次につなげる
そして私がさらにオススメするのが計測した土壌水分量の記録をつけることです。
水分管理をやったつもりでもうまくいかないことはどうしても出てきてしまいます。
そんな時はなぜうまくいかなかったかを振り返りましょう。
人間の記憶はあいまいなので覚えておくのはなかなか難しいです。
振り返る際に数字の記録があると「この時に乾燥させ過ぎたのかな?次はもう少し水分量をあげてみよう」と次につなげることができるのです。
上にも書きましたが土壌水分量は土壌の性質や環境によって大きく変わりますので、自分の畑・野菜にとって何が一番いいのかは自分で探っていくしかありません。
そんな時に「経験」や「勘」で探ろうとすると長い年月が必要になります。
農家さんたちは代々引き継がれた「経験」や「勘」があるからこそ上手に野菜を育てることができるのです。
家庭菜園では限られた時間の中で自分の畑・野菜にあった生育環境を作っていかなければなりません。
「試行⇒記録⇒改善⇒試行・・・」のサイクルを作り、短期間で自分なりのやり方を見つけていきましょう。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回の記事のポイントを以下に整理します。
2.土壌性質によって乾き方が違う
3.野菜や生育状況によって水分量を調整する必要がある
4.数字を記録して振り返る
土壌水分を管理して、野菜の生育に適した環境づくりを目指しましょう。
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