↑野菜栽培マニュアル↑
(使い方)
カボチャの特徴
カボチャは、生育が早く栽培しやすいので家庭菜園にぴったりの野菜です。
土質を選ばず、日当たりが良ければぐんぐん育ちます。
カボチャはカロテンが多く、ビタミンC、たんぱく質、食物繊維、ミネラル(特にカリウム)を豊富に含みます。
野菜の中でも保存性が高いことから、貯蔵しておき、長く楽しむことができます。
また、カボチャには日本種、西洋種、ペポ種の3種があります。
日本種というのは昔から日本で栽培されていた品種で、果肉は粘質です。
高温多湿の日本の気候に合っていて、家庭菜園初心者の方におすすめの種類です。
西洋種は、果肉は粉質で、果皮の色は黒緑色、白皮、赤皮などがあります。
現在店頭で見るカボチャのほとんどが西洋カボチャです。
ペポ種は、観賞用が有名な品種ですが、最近では食用の「そうめんカボチャ」や「ズッキーニ」も人気があります。
ハロウィンのおばけカボチャや、花屋さんで見かける観賞用カボチャはぺポ種です。
土作りのやり方
定植または直まきの2週間前までに苦土石灰を散布して深く耕します。
1週間前に、直径30cm、深さ30cmほどの穴を掘り、底に堆肥を入れます。
掘り上げた土に化成肥料、過リン酸石灰をかきまぜて穴に埋め戻し、周りの土を集めて高さ10cmほどの畝を作ります。
カボチャは肥料が効きすぎることで失敗する場合があります。
前作の肥料が残っている場合は、元肥の肥料を何も入れずに始めた方が良い場合もあります。
畑の状況をみて土作りを行いましょう。
土作りのやり方はこちらの記事を参考にしてください。
種まきのやり方
タネまきは、ポットまきと直まきのお好きな方法で大丈夫です。
直まきは畑にまくだけで簡単ですし、ポットまきは種もあまり無駄にならず経済的です。
どちらの場合も、直径5cm、深さ1cmくらいの穴を作り、種をまきます。
ポットまきは1粒ずつまき、直まきの場合は3粒ほどまきます。
種をまいたら土をかぶせ、手で軽く押さえてから水やりをします。
発芽には保温が大切です。
気温が上がらない時期の直まきはホットキャップで保温、ポットまきの場合は25~30℃前後の温度を保ちましょう。
直まきの場合、本葉が2~3枚になったら間引きして1本立ちにします。
ポットまきの定植適期は、本葉が4~5枚になったころです。
だいたい種まきから30日前後です。
カボチャの種は嫌光性種子ですが深く植え過ぎないように注意しましょう。
定植後はホットキャップをかぶせ、つるが伸びてきたら取りはずします。
管理方法
つるの管理
カボチャの仕立て方は何種類かあります。
ここでは最もわかりやすい「主枝仕立て」を紹介します。
主枝仕立てとは、親づる(主枝)をまっすぐ一本に伸ばす方法です。
子づる(わき芽)が発生したら都度除去していきます。
つるがはう場所は、敷きわらをしたり、ネットで空中にはわせたりします。
地面に直接はわせると、雑草に埋もれたり、風通しが悪くなり、病害虫の被害にあうので注意しましょう。
人工授粉
カボチャはそのままでも自然に受粉することもありますが、一番花が咲く時期はまだ虫も少ないので、余裕があれば人工授粉をしてみましょう。
人工授粉をしてあげれば高確率で着果します。
やり方は、雌花の近くにある雄花をとって、雄しべを雌しべにちょんちょんとつけてあげるだけです。
雌花と雄花の見分け方は、花の根元に小さなカボチャの赤ちゃんがついているのが雌花です。
追肥
追肥は、実がこぶし大になった頃に、一握りの化成肥料をつるの先に散布します。
肥料のあげすぎに注意しましょう。
カボチャ栽培においてよくある失敗例は、「つるぼけ」と呼ばれる現象です。
葉っぱは元気が良いのに花が咲かない、咲いても雄花ばかりで雌花がない、という現象です。
これは肥料の効きすぎが原因であることが多いため、追肥をやめておけば、弱りだした頃に雌花が咲きます。
順調に育っている場合は良いですが、つるぼけが起こっているときは追肥をしない選択肢もありますよ。
玉まわし
カボチャは地面に接していると、湿気により腐ることがあります。
地面をはわせている場合は、敷きわらがしっかり敷いてある場所に置きましょう。
また、日に当たらない部分は色がつきにくいので、収穫の10日前くらいに、転がっている玉をまっすぐ立ち上げるように置きましょう。
病害虫対策
カボチャは病害虫が少なく、大変つくりやすい作物です。
うどんこ病は高確率で発生しますが、多少発生しても収穫量が減少する程度で、果実には大きな影響がありません。
それでも悪化させないために対策をすると良いでしょう。
うどんこ病は、風通しの悪さ、日光不足、肥料の与えすぎ、また肥料不足など、原因は様々です。
対策として、ポリマルチに水たまりができないように、綺麗な畝作りを心がけましょう。
そして畝を高くしておくこと、雑草を茂らせないことも大切です。
敷きわらや、果実の下にマットを敷くことも効果的です。
水やりの仕方
カボチャは地植えの場合、基本的には水やりの必要はありません。
乾燥を好むので雨の水分だけで大丈夫です。
まったく雨が降らない日が続いて心配な場合は、土が湿る程度の水やりをしても良いと思います。
収穫のやり方
収穫適期は、品種により変わりますが受粉日から約40日程度です。
西洋種は、へたが白くコルク状になり、日本種・ぺポ種は、へたが褐色になるころが目安です。
カボチャの収穫適期が近づいてきたら、乾燥した晴れの日を天気予報でチェックしましょう。
長雨のころに収穫すると腐りやすくなってしまいます。
また、晴れた日であっても、朝露が乾く9時頃から作業するとより乾燥した良い状態で収穫できます。
収穫したカボチャは1~2週間程度、風通しの良い場所に並べて乾燥させましょう。
収穫直後よりも糖度が高くなります。
詳しい方法は下記をチェックしてみてください。
保存方法
収穫直後のカボチャは水っぽく甘みも弱いので、1~2週間ほど日陰で風通しの良い保管場所に置いて追熟させます。
これをキュアリングといいます。
この間にでんぷんが糖分に変わり、甘味が増していきます。
カボチャの保管場所の温度は、10~15℃が理想です。
風通しの良い日陰に置き、扇風機をつけるとより良いでしょう。
通常、キュアリングは常温で行いますが、気温や湿度が高いと腐ってしまいます。
真夏や雨の時期などは冷蔵庫の野菜室を使うとよいでしょう。
追熟後のカボチャは、風通しのよい日陰で常温保存ができます。
1~2か月は保存可能です。
カットした場合は、種とワタを抜き、ラップでピッタリ包んで冷蔵庫で保存してください。
こちらは1週間程度保存可能です。
冷凍保存する場合は、カットし加熱してから冷凍すると便利に使用できます。
こちらは1ヶ月程度保存可能です。
コメント